専門医偏在対策ワーキンググループ
専門医偏在対策ワーキンググループよりご挨拶
日本手外科学会キャリアアップ委員会
専門医の在り方に関する検討会の報告書によれば、「専門医は適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師である」と定義されています。手外科専門医の資格は手外科領域における研鑽の証であり、手外科を志す医師にとっての目標です。また専門医には安全・確実な手外科診療の普及、次世代の発展に向けた後進の指導も期待されます。専門医の地域的偏在は診療レベルの地域格差につながるため著しい偏在は改善すべきです。キャリアアップ委員会・専門医偏在対策ワーキンググループでは、手外科専門医になるための研修、学会参加などに支障となる地域的問題の解消を目的として活動しています。
専門医の受験資格には、学会が認めた施設における一定期間の研修を受ける必要がありますが、専門医(研修施設)が少ない地域においてはon the job trainingの機会が限られているため研修期間が受験資格に満たない問題が生じています。そこで手外科専門医を志す医師からの研修に関する問い合わせ・相談に応じる研修施設をリスト化して会員専用ページに掲載しました。詳細は会員専用ページ・キャリアアップ委員会のバナーからご覧ください。学会HPトップの「医学生・研修医の皆様 手外科研修施設のご紹介など」のバナーをクリックすると、所属に関わらず全国から研修を受け入れている専門施設を地域別に表示してあります。合わせてご覧ください。
多くの先生方に活用していただき、研修機会の均等化に役立つことを願っております。
手外科専門医の偏在対策に関するご報告
2022年1月25日
日本手外科学会会員各位
一般社団法人日本手外科学会
理事長 平田 仁
キャリアアップ委員会
担当理事 副島 修
委員長 原 友紀
専門医偏在対策 WG代表 長田 龍介
手外科専門医が3名以下の県で専門医を志す医師に対する特例措置
専門医申請に必要な研修期間「通算5年以上の手外科に関する研修期間を有し、そのうち日本手外科学会認定研修施設(以下、研修施設という)で通算3年以上の研修期間 を有すること、かつ、基盤学会専門医取得後,3年間の手外科診療の実績を有すること」
「日本手外科学会専門医制度細則第3章第5(4)」
⇒手外科専門医が3名以下の県においては、認定研修施設での研修期間を3年間から2年間に短縮し、残り1年間を研修に相当する下記の代替手段で補うことで受験資格と認める。なお、この特例措置は時限的なもの であり当該県における専門医数が4名以上になった時点で適応外とする。
1年間の研修に相当する代替手段
研修施設で開かれるカンファレンスに原則として月2回以上、直接またはオンラインで参加し、自身の症例を供覧して指導を受ける。またカンファレンスでの症例検討を研鑽の機会とする。参加の証明として特例措置用カンファレンス参加記録(専門医申請書 様式1-18)を毎回記入し提出する。この形式の研修は、2年間で合計48回以上の参加をもって通常研修の1年分と換算する。なお、専門医試験申請時に提出する手術症例レポート(専門医申請書 様式1-17)を通常の2倍(20 例)とする。この20症例は通常の研修中に経験した症例、代替手段としての研修中に経験した症例のいずれでもよい。